空いた土地を駐車場にして、自分で経営してお小遣い稼ぎをしようと思います。
営業開始するまでの予算などはわかったけれど、開業してから後にやってくる税金の請求、どのような税金がかかるのでしょうか。
税金を少しでも安くする方法があるのでしたら、それもぜひ知りたいところですね。
[su_spoiler title=”目次をパッと開く”] [/su_spoiler]駐車場経営でかかる税金
駐車場を経営すると、以下の税金が課せられます。固定資産税と都市計画税は、土地を登記した段階で自治体により課税されます。所得税は確定申告で、自分で管轄地域の税務署に申告します。
- 固定資産税
- 都市計画税
- 相続税(親族より土地を相続した場合)
- 所得税
自分の土地で経営する場合
自己所有の土地ですと、固定資産税がかかります。この固定委資産税は、全国一律の金額ではなく、その住所がある地域の固定資産税評価額によって決められます。
同じような狭小の土地で駐車場を経営していても、都心と地方では固定資産税に大きな違いが出てくるのはそのためです。
固定資産税と一緒に徴収されるのが、都市計画税です。
これらは地方税になりますので、地域によって税率が違ってくるのは固定資産税と同じです。
標準的な税率はこのようになります。
固定資産税 | 固定資産税評価額×1.4% |
都市計画税 | 固定資産税評価額×0.3% |
たとえば1,000万円の評価額の土地でしたら、固定資産税が140,000円、都市計画税が30,000円、合わせて170,000円を、年4回に分けて支払うことになります。
固定資産税を減らすには
個人住宅や賃貸住宅を建てた場合、固定資産税は減額されます。けれど駐車場の場合、自用地という扱いになって、減額は一切されません。
少しでも減額できるのは相続税だけです。もしあなたが親から譲られた土地で駐車場経営を始めたのなら、相続税は軽減できます。
駐車場をアスファルトやコンクリートで舗装し、フェンスやブロックなどの構造物を建てるのです。こうすると小規模宅地等にすることができるので、減額が可能になります。
ただし小規模宅地等に認められたとしても、200㎡までを50%という評価減です。大きく減額されることはありません。
土地を借りて経営する場合には、固定資産税や都市計画税を支払う必要はありませんが、地代を大家に払うことになります。
地代も固定資産税も、所得の計算をするときに売上げから差し引くことができます。
駐車場経営の所得にかかる税金
野菜や魚を売るような商売でしたら、商品の仕入れが必要で、さらに店舗経営のためのさまざまな経費がかかることはすぐにわかります。
けれど駐車場経営の場合、かかる経費というものがほとんどありません。そのため収入の多くが所得税の対象になってしまいます。
固定資産税、土地の賃貸地代などを、1年間の駐車場の収入から差し引いて200,000円いかない場合は、申告をする必要はありません。
200,000円以上の収入があった場合、2月からの確定申告で申告しなければいけません。所得税の申告方法は駐車場の規模によって違ってきます。
駐車場経営だけを生業で行っている場合と、副業でやっている場合の申告方法も違ってきます。
不動産所得と事業所得
不動産所得とは、所有する土地を貸して得た収入のことです。月極駐車場の場合は、この不動産所得となります。コインパーキングのように、管理の機械を設置したりすることもなく、いわゆる青空駐車場でも構わない駐車場経営方式です。
不動産所得として事業規模で認められるには、駐車場に50台以上の車が止められることが条件になります。かなり大がかりな駐車場となるでしょう。
同じスペースでも、コインパーキングにした場合は、事業所得となります。月極駐車場にしても、コインパーキングにしても、事業所得の対象にならない小規模の場合は、かかる税の割合が違ってきます。
駐車場経営で青色申告による所得税
個人事業で申告する場合、青色申告にするとさまざま優遇が受けられます。駐車場経営でも同じです。
事業規模で経営している駐車場なら、不動産所得の年間の売上げから650,000円の控除が受けられます。
事業所得となるコインパーキングも、事業規模での経営なら同じように650,000円の控除が受けられます。
そのどちらでもない小規模経営の場合、不動産所得で経営する月極駐車場経営者なら、100,000円は控除されます。
ところが事業所得で申告する場合、小規模では雑所得となって青色申告は行えず、控除は受けられません。
確定申告の前に控除できるものについて知っておく
収入が200,000円を超えてしまったら、確定申告をしなければいけません。駐車場経営の場合、収入ははっきりしています。
コインパーキングは精算機が売上げを記録していますし、月極でも借り手との間の契約記録は残ります。
でははっきりしている収入の中から、どのように節税していけばいいでしょうか。
駐車場経営にかかる経費
確定申告をするには、収入から経費を引いた金額での申告になります。では経費とは、どのようなものが該当するでしょうか。
- 固定資産税
- 舗装などの設備設定費
- 駐車用機器の設置費(ローンの場合の1年分の金利もプラスできる)
- 修繕費
- 電気代
- 管理運営費
舗装代金や機械設置代金が高額の場合、減価償却といって、数年にわたる分割で経費にすることができます。
青色申告が可能でしたら、『専従者』としてあなたの家族を1人雇って、給与を払うことができます。
たとえば奥様を駐車場の掃除専門に働いてもらっていることにして、給与を支払い、それを経費にすることができます。
白色申告では一定額までは控除の対象になりますが、経費としては認められません。
駐車場経営が副業の場合
すでに会社で働いていて給与収入がある場合、給与で計算されている税額の支払いは会社ですべて行ってくれます。
けれど駐車場経営の収入は、自分で確定申告を行わないといけません。
駐車場を作ったものの、経費ばかりかかって今年は赤字だから、申告する必要はない。
そう思って確定申告を思いとどまっていませんか?申告の方法によっては、駐車場ででた赤字分を、給与で支払う税額を減額することに使えるのです。これを損益通算といいます。
不動産収入
月極駐車場の不動産収入は、損益通算の対象にはなりません。
事業所得
事業所得として認められているコインパーキングでは、損益通算の対象になります。その年の赤字額を会社からの給与税額から差し引いて、申告を訂正することになります。
青色申告でしたら、赤字を分散して次年度に繰り越すことも可能です。この方法ですと、何年間も税金を安くすることができます。
事業所得の基準は、駐車できる車が50台以上といわれていますが、場合によってはそれ以下でも認められることがあります。所轄の税務署に、相談してみることをおすすめします。
注意が必要なのは、会社が副業を禁じている場合です。そういった場合は、駐車場の経営を家族名義にするか、損益通算をあきらめることです。
ただ近年はサラリーマンやパートの副業を、企業側も認めるような傾向があります。お勤めの会社の規定を、もう1度確認してみるといいでしょう。
雑所得
駐車場経営の収入が少ない場合、雑所得として確定申告します。ただし年間200,000円以上の収入がなければ申告する必要はありません。
まとめ
駐車場経営には支払うべき税金がこれだけあると、理解していただけたでしょうか。
固定資産税、都市計画税、場合によっては相続税、これらは土地に関する税金です。そして所得税が、収入に対する税金となります。
規模の小さい駐車場を経営なさっているなら、ご自分で確定申告するのもそんなに難しくありません。
白色申告の場合、会計を記帳したものと領収書があればよく、それらを提出する必要はありません。収支内訳書に書き込めばいいだけです。
けれど事業規模が大きくなり、青色申告をしたほうが節税になるようでしたら、税理士にお願いすることをおすすめします。
青色申告は、記帳などがいろいろと面倒なので、いきなり自己流でやろうとしても難しいものです。
もちろんご自身が申告などに詳しく、全部自分でやれるのなら問題はありません。
[cc id=1282]